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イベント主導型マーケティング
(EBM:Event Based Marketing)

イベント主導型マーケティング(以降 EBM: Event Based Marketing)は、顧客行動の変化を捉え、マーケティング活動のトリガーとする手法です。従来型のマーケティング・キャンペーンが企業主導のプッシュ型であるのに対して、顧客行動に主導される形で、擬似的なプル型のマーケティング・キャンペーンを実行します。テラデータは 10年以上に及ぶ EBM の経験と、キャンペーン管理ツールである Teradata Relationship Manager を利用し、EBM の実装を支援します。

EBM の仕組み

EBM において、そのトリガーとなるのは「イベント」です。イベントとは、顧客ニーズの変化を象徴的に特徴付ける顧客行動を意味し、それは「ルール」として定義されます。例えばある銀行で、毎晩データベースの中にデータがロードされるような環境を有しているとしましょう。そのとき、「ルール」は毎晩ロードされたデータに対して適用され、全ての顧客がルールに合致しているか、否かでモニタリングされます。例えばルールとして、「昨日の預入額 > = 1.5* 過去一年間における一回の預入あたりの平均預入金額」を定義したとすれば、この条件に合致する顧客、つまり通常以上に多額の預入があった顧客としてピックアップされます。この預入金額は、何か使い道があってこの口座にまとめられたのかもしれませんし、当座は使い道がなく、投資商品や定期預金化することによって有効活用したほうが良いかもしれません。いずれにしても通常とは異なる顧客行動の変化であり、顧客が実際に抱いているニーズを確認する必要があります。このように、ビジネス機会を内包していると想定される顧客リストは「リード」と呼ばれ、次の日の朝には渉外担当者やコールセンターのエージェントに届き、「今日コンタクトすべき顧客のリスト」として準備されます。

このようなイベントは、膨大な顧客行動データを有している企業において、幾つも発見できます。以下はその例ですが、顧客とそのデータが膨大になるとき、イベントを人間によって発見するのは大変であり、データベースに対するルール設定によって自動的に発見させるのが効果的な手法です。

  • カード会社: 今まで利用されていたクレジット利用が一定期間無くなった
  • 通信業: 従量制料金プランの顧客が、大量のパケット通信を行い、請求額が異常に高くなった
  • 小売業: 今まで購入されなかった特徴的な商品(ペット用品、ランドセル...)が購入された
  • 航空会社: フライト遅延に遭遇した顧客の 4割が、その後自社便を利用しなくなった

EBM の目的と効果

従来型のキャンペーン案内において、その案内タイミングを決定するのは企業です。これに対して顧客の生活のありようは様々であり、特定の商品/サービスに対してニーズを持つタイミングも様々です。企業の案内タイミングと、顧客ニーズが最も高いタイミングが合致するならば、このようなキャンペーンは成功することができますが、多くの場合においては両者の間にギャップが存在します。EBM はこのギャップを解消することによって、キャンペーンの効率性と効果を改善します。

まず、EBM の実行によって単一案内時あたりの案内顧客数が減少します。これは特定ニーズを検知した顧客に対象が絞り込まれるためです。これに対して、特定ニーズの高いタイミングで案内を実施するため、高いレスポンス率を期待できます。これによって、無用なマーケティング経費を低減することが可能になると共に、レスポンスのあった顧客からの売上/収入、利益、顧客満足度といった指標が改善され、マーケティング活動の投下資本収益率改善に寄与できます。加えて、このような EBM を数多く、長期的に実行していくことによって、企業が売上/収入目標上を達成するために必要なレスポンス数も確保することが可能となります。以下は、テラデータのクライアント企業が実現した成果の実例です。

  • 高度に絞り込んだ顧客へのコミュニケーションにより、60%のレスポンス率を実現
  • EBM生成案件の利益率が 5倍に増加したことにより、マスマーケティング経費が 5年間で 75%減少
  • 高収益顧客セグメントにおける離反率が 30%低減
  • 高収益顧客セグメントにおける顧客満足度 98%を実現

「明日」を決定付けるのは「今日」

前述のような成果を得るためには、単純に EBM を実装するのみでは充分ではありません。例えば、「口座に多額預入」イベントの対象としてふさわしい「多額」の定義は、通常入金額の 1.5倍でしょうか、それとも 30倍でしょうか。このようなルールを適切に設定することが出来てはじめて、本質的な顧客ニーズを検知でき、ニーズが高い顧客群に対して、この上ないタイミングでアプローチができるようになります。これを実施するために必要なのがデータであり、そこから分析によって知識を析出することです。

以下の図は、イベントの複雑度と得られるビジネス価値(高いレスポンス率とそれに伴って得られる投下資本収益率)の関係を表したものです。条件を重ね、有意性の高いイベント検知ルールを構築することによって、顧客ニーズを正確に切り取ることが可能となります。そしてそのためには、顧客のデモグラフィック属性のみならず、顧客行動属性データを利用する必要があり、さらにはより明細レベルのデータを用いて分析を実施し、イベント検知ルールに投影させる必要があります。顧客コンタクトの瞬間を訴求力の高いものにするためには、事前の準備が重要な鍵を握ります。

イベントの複雑度と得られるビジネス価値の関係

EBM 実現に必要な要素

有意性の高いイベントを識別できるルールを定義づけでき、それを実装に移す段階では、以下に示したような要件が必要となります:

  • 数千万件に及ぶ顧客トランザクション/インタラクションデータから、少なくとも日次でイベントを検知できること
  • 簡単なイベントから、複雑で有意性の高いイベントまで、あらゆる種類のイベントを検知できること
  • 分析によって、適用するイベント検知条件の有意性を理解/把握できること
  • 顧客それぞれの置かれた環境、ニーズの種別に応じて最適なオファーを案内でき、またメッセージそのものをニーズに応じて個別化できること
  • 複数検知されたイベントに対して、過剰なコンタクトの回避、メッセージの重複回避ができるよう、優先順位付けやコンタクトの抑制が可能なこと
  • 顧客の好み、そして企業リソース上の制約条件から鑑みて最適なチャネルを選択できること
  • 数百に及ぶイベント検知ルールの実行、そしてそれに基づいたキャンペーンの同時実行が可能であること

顧客ニーズは多岐に渡り、それぞれに対してイベント定義が可能です。結果的に企業が識別できるニーズ=イベント定義は数百にも及び、それらを同時並行的に実行していく必要があります。このような環境を支えるには強力なデータウェアハウス基盤と、データウェアハウスに立脚したキャンペーン管理ツールが必要です。前述したような要件に対応するために、当社ではキャンペーン管理ツール「Teradata Relationship Manager」を提供しています。欧米の金融機関を中心に、当社では 10年以上の EBM実装支援経験を有しており、Teradata Relationship Manager はこれらの豊富な経験に基づいて開発/改善されてきた製品です。

Teradata Relationship Manager は、EBM も含めた洗練されたコミュニケーションを実現可能なキャンペーン管理ツールです。キャンペーンのデザインと実行だけでなく顧客分析の機能をあわせて利用することによって、深い顧客理解に基づいた EBMキャンペーンを実装することが可能です。

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