今までの情報活用は顧客、販売、財務などの取引結果が対象でした。最近は Webログ、消費者の口コミ、機械のセンサー、モバイルの位置データなど、非取引データを含む膨大なビッグデータが対象になってきました。しかし、重要なことは情報をいかに経営や業務に生かすかです。そのための戦略とデータ統合のあり方、および最新の事例をご紹介します。

現在、多くの企業が日々の商取引に関わる情報を集約・統合し、経営上の戦略・戦術の立案やマーケティング、CRM、業績管理、販売管理といった領域で活用しています。確かにこうした情報活用は一定の効果を上げていますが、あくまでも「過去の情報」からの予測やアクションに過ぎません。
ショッピングサイトを例にとりましょう。ある顧客の購買履歴のデータを活用することは可能ですが、仮にカートに商品を入れたにもかかわらず、最終的には購入しなかった場合、取引データから捉えることはできません。ビッグデータは、従来までの情報活用におけるそうした限界を打ち破るものです。Webログやクリックストリームデータをはじめ、モバイル環境やソーシャルメディア上で流通するデータ、さらには各種センサー類から上がってくるデータといった非構造化データを含む膨大な情報を活用し、新たなインサイト(洞察)を引き出すことでビジネス価値(知見)を獲得し、収益向上につなげていくことが可能になるのです。
Webログから「顧客がサイト上でどのような行動を取ったのか」幅広い観点で分析し、さらにその顧客がソーシャルネットワーク上で商品についてどういうコメントを投稿しているか追跡。より適切な商品・サービスをより良いタイミングでオファーしていきます。このようにビッグデータは、顧客管理、CRM、マーケティングの分野をはじめ、商品開発や品質管理などの分野にも大きな可能性をもたらします。
もっとも、このような新たな情報活用戦略は、ビッグデータの分析でのみ実現されるものではありません。あくまでも構造化データを中心とする取引データなど、既存データとビッグデータを統合し、分析していくことが不可欠です。
こうしたニーズの実現に向け、テラデータでは 2つのアプローチを用意しています。
まず1つ目は、構造化データ、非構造化データをすべて テラデータの Enterprise Data Warehouse に蓄積し、活用するという方法です。そして2つ目は、構造化データの集約・分析は SQL によるアナリティクスに適した Teradataデータベースで行い、非構造化データについては Hadoop や Aster Data のような MapReduceシステムで蓄積・分析し、その結果を Teradataデータベースと連携するという方法です。
特にこの2つ目のアプローチに関して、Teradataデータベースは、ETL(Extract / Transform / Load)として Hadoop を活用するための仕組みや、UDF(ユーザー定義関数)により MapReduce関数を Teradata側に埋め込み、それを実行することができるようなインターフェイスも実装。さらには、Hadoopファイルシステムにアクセスできるようなテーブル関数を提供するなど、Hadoop との共存によるビッグデータ活用を支援するための充実した機能が用意されています。
また、テラデータ社の一員である Aster Data は、昨年特許を取得した SQL-MapReduce技術により、その関数を使えば SQL で非構造化データも扱える優れたシステムです。
すでに、こうした技術を基盤に、効果的なビッグデータ活用を実現している企業も数多く存在します。例えば、全世界 200カ国に 1億5000万人以上の会員を擁する世界最大のプロフェッショナル・ネットワーキングサイトの運営で知られる米国 LinkedIn(リンクトイン)では、「あなたの知り合いではありませんか?」機能を支えるソーシャルグラフ分析に Aster Data を活用することで、会員数拡大とサービスの活性化に大いに役立てています。
もはや「ビッグデータ」はバズワードではありません。「ビッグデータの活用なくして、ビジネスの成長はあり得ない」という認識をしっかり持つことが、今日の企業に求められているといえるでしょう。
(本事例は、国内最大級のデータウェアハウス・コンファレンス「Teradata Universe Tokyo 2012」のセッションで発表された内容です。)
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