ホーム > 導入事例 > 海外事例一覧 > SNS Bank 「アカウンタビリティが重要」

昨今の景気後退にあえぐ金融機関では、タイムリーな対処が生き残るための基準のひとつであると認識しています。このためには、正確なデータに迅速にアクセスできることが欠かせません。オランダ第5位の金融グループ SNS Reaal Group 傘下の SNS Bank は、Teradata のエンタープライズ・データウェアハウス(Enterprise Data Warehouse:EDW)を導入し、複数の部門で共有する単一のデータソース・リポジトリを確立したことで、市場の動きに迅速に対応し、コンプライアンスを実現し、競争力を維持するための基盤を整えることに成功しています。
SNS のデータベースアナリストチームのリーダー、Robbert Kok氏は次のように語っています。「経済危機の影響で生じた多くの問題に迅速に対処するために、さまざまな分野のデータをひとまとめにする必要がありました。これを実現することにより、アナリストチームは経営幹部から初めて直接質問を受け、正確に答えることができるようになりました」
このように経営幹部からの質問に対応できることは、銀行が世界的標準の元でのリスク管理体制の改善、分析モデルの改良、データの一貫性のある解釈や透明性向上が要求される現在、非常に重要なことです。
EDW の能力が拡大したことで、SNS では日々の市場変動に対処するリスク部門の管理能力が大幅に向上しました。「毎日 Teradata でデータが更新されるので、財務状況やお客様が他行に移っていないかなど、従来よりもはるかに詳細な情報が得られるようになりました」と Kok氏は語ります。
戦略的マーケティング担当副社長の Herke Douw氏は、次のように述べています。「マーケティング部門ではさまざまなキャンペーンを行っていますが、EDW と顧客関係管理(Customer Relationship Management:CRM)システムを連動させたおかげで、これらのキャンペーンの継続、中止、変更の判断が日々迅速に決断できるようになりました。従来のようにキャンペーンの効果が確認できるまでに終了後 1ケ月もかかるのでは、うまく対応できません」
キャンペーンの効果が確認できるまでに1ケ月もかかるのでは対応できない![]()
− Herke Douw氏、SNS Bank
以前、SNS では各システムが独立していました。部門間でデータが共有されていないため、同じ質問に対して各部門で入手する回答が異なるケースがありました。さらに他の部門では、Sybase のソリューションを使って複数の部門にデータ配布していました。しかし、ある部門で要件変更が行われるたびに、その変更を他部門に配布しなければならず、時間とコストがかかり、また回答が矛盾するケースも発生し、新しい動向に柔軟に対処できませんでした。
マーケティング部門は CRM で成功を収めたことから、この計画を銀行全体に広げる必要性を認識しました。その結果、マーケティング、財務、リスク管理部門が情報を 1つのリポジトリに保存し、一度保存すれば何度でも利用できる全行的なデータウェアハウス構築に乗り出しました。全行的に同じ情報を用いて、ビジネスを一貫した見方で捉えるようにすることが目的でした。
また、もっと多くのさまざまなデータを自分たちのモデルに入れ、部門の枠を超えたやりとりの実現や、毎日の更新データが欲しいと考えていました。当初、他部門は乗り気ではありませんでしたが、現在では他部門も月次レポートの作成だけでなく、毎日データを利用しています。
Douw氏は、マーケティング部門に SNS の全行的ビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence:BI) ITプロジェクトの先頭に立つことを指示しました。
マーケティング、財務、リスク管理、IT部門のスタッフで構成されたプロジェクト委員会は、Oracle、IBM、Sybase のテクノロジーも検討しましたが、顧客情報システムやデータウェアハウスなどの自社で構築したソリューションを拡張することに決定し、Teradataプラットフォームでこの新しいプロジェクトを展開することにしました。
委員会では、この新しいデータウェアハウスから最も恩恵を受けるアプリケーションを優先し、プロジェクトを 4段階に分けて四半期ごとに 1段階ずつ完成させ、定期的に成果を出せるようにしました。
一方、プロジェクトの投資収益(ROI)についてはあまり心配しませんでした。「経営情報のROI とは何でしょうか?こ の情報がないために逸する機会とはどうやって見積もるのでしょうか?」と Kok氏は問いかけます。もっとも、同氏は各部門が協力して同じ問題に取り組むようにできれば、個別に対応するよりも約40%コストを軽減できると見積もっています。また、ヨーロッパの会計規則を遵守する能力が向上すると考えています。
“経営情報の ROI とは何か?
この情報がないために逸する機会とはどうやって見積もるのか?
− Robbert Kok氏、SNS Bank
SNS では拡張した EDW を活用するアイデアに欠くことはありませんが、そのアイデアを実らせるのは簡単ではありません。今年、SNS には予算の制約があるでしょう。それでも EDW の拡張は成果を挙げており、次のような新しい取り組みを実行してコスト節減や利益創出機会を生み出しています:
また、次のことも可能になると期待しています:
SNS はこれらを達成できると確信していますが、その理由の 1つが、EDW の拡張により、すでに効果が現れていることです。その大きな変化の 1つが、各部門が共同でプロジェクトに取り組むケースが増えていることです。「このプロジェクトを実施したことと各グループが協力し合ったことにより、新しいプロジェクトに共同で取り組むようになっています」と Douw氏は指摘しています。共同作業に基づいて決定を下すことにより、すべての問い合わせに対して回答を標準化できます。また市場で出現したチャンスを生かすだけでなく、自らチャンスを創出することができます。SNS はテクノロジーを新しい方法で利用することによって、支払余力を維持し、顧客や市場の動きに対応しています。
データベース :
Teradataデータベース V2R6.1プラットフォーム:
Teradata Active Enterprise Data Warehouse 5400 4 ノードユーザー数 :
100(30同時利用ユーザー)データモデル :
物理モデル 第3正規形モデル、論理モデル Teradata FS-LDMオペレーティングシステム :
SUSE Linuxストレージ :
27.7TB (3 システム合計)Teradataユーティリティ :
Teradata ツール& ユーティリティ 8.1ツールとアプリケーション :
Informatica、Microsoft、SAP、SAS、SPSSCopyright (C) Teradata Magazine 日本版 - Vol.18 2009年