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アカウンタビリティが重要

SNS Bank は毎日最新データを取得して競争力を維持

SNS Bank Vice President,Strategic Marketing Herke Douw氏(左)と、Team Leader,Database nalysts Robbert Kok氏

by Patricia Keefe

昨今の景気後退にあえぐ金融機関では、タイムリーな対処が生き残るための基準のひとつであると認識しています。このためには、正確なデータに迅速にアクセスできることが欠かせません。オランダ第5位の金融グループ SNS Reaal Group 傘下の SNS Bank は、Teradata のエンタープライズ・データウェアハウス(Enterprise Data Warehouse:EDW)を導入し、複数の部門で共有する単一のデータソース・リポジトリを確立したことで、市場の動きに迅速に対応し、コンプライアンスを実現し、競争力を維持するための基盤を整えることに成功しています。

SNS のデータベースアナリストチームのリーダー、Robbert Kok氏は次のように語っています。「経済危機の影響で生じた多くの問題に迅速に対処するために、さまざまな分野のデータをひとまとめにする必要がありました。これを実現することにより、アナリストチームは経営幹部から初めて直接質問を受け、正確に答えることができるようになりました」

このように経営幹部からの質問に対応できることは、銀行が世界的標準の元でのリスク管理体制の改善、分析モデルの改良、データの一貫性のある解釈や透明性向上が要求される現在、非常に重要なことです。

概要

会社概要:
SNS Reaal Group は、オランダ第5位の金融グループ。SNS Bank は 146ヵ所に営業所を展開している。行員数は 3,300名。2007年度のグループ全体の純利益は、4億6,500ユーロ。

課題:
SNS Bank では、各部門でデータベースが独立していたため、同じ問い合わせに対する回答が異なっていた。また、レポート作成に時間を要し、市場の動きに機敏に対応できずにいた。

解決策:
プロジェクト委員会が、単一ソースのデータソリューションが必要と判断した。マーケティング部門での成功を踏まえ、データウェアハウス をEDW に拡張し、全部門にサービスを提供できるようにした。

成果:
EDW により、誰でも同じ情報にアクセスできるため、全部門が同じ基準で判断を下せるようになった。毎日データを分析できることで、迅速なレポート作成や戦略を修正して新しい機会を即座に生かすことが可能になった。

タイムリーなデータが重要

EDW の能力が拡大したことで、SNS では日々の市場変動に対処するリスク部門の管理能力が大幅に向上しました。「毎日 Teradata でデータが更新されるので、財務状況やお客様が他行に移っていないかなど、従来よりもはるかに詳細な情報が得られるようになりました」と Kok氏は語ります。

戦略的マーケティング担当副社長の Herke Douw氏は、次のように述べています。「マーケティング部門ではさまざまなキャンペーンを行っていますが、EDW と顧客関係管理(Customer Relationship Management:CRM)システムを連動させたおかげで、これらのキャンペーンの継続、中止、変更の判断が日々迅速に決断できるようになりました。従来のようにキャンペーンの効果が確認できるまでに終了後 1ケ月もかかるのでは、うまく対応できません」

キャンペーンの効果が確認できるまでに1ケ月もかかるのでは対応できない
− Herke Douw氏、SNS Bank


孤立は過去のこと

以前、SNS では各システムが独立していました。部門間でデータが共有されていないため、同じ質問に対して各部門で入手する回答が異なるケースがありました。さらに他の部門では、Sybase のソリューションを使って複数の部門にデータ配布していました。しかし、ある部門で要件変更が行われるたびに、その変更を他部門に配布しなければならず、時間とコストがかかり、また回答が矛盾するケースも発生し、新しい動向に柔軟に対処できませんでした。

リーダーシップを発揮してビジョンを促進

マーケティング部門は CRM で成功を収めたことから、この計画を銀行全体に広げる必要性を認識しました。その結果、マーケティング、財務、リスク管理部門が情報を 1つのリポジトリに保存し、一度保存すれば何度でも利用できる全行的なデータウェアハウス構築に乗り出しました。全行的に同じ情報を用いて、ビジネスを一貫した見方で捉えるようにすることが目的でした。

また、もっと多くのさまざまなデータを自分たちのモデルに入れ、部門の枠を超えたやりとりの実現や、毎日の更新データが欲しいと考えていました。当初、他部門は乗り気ではありませんでしたが、現在では他部門も月次レポートの作成だけでなく、毎日データを利用しています。

Douw氏は、マーケティング部門に SNS の全行的ビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence:BI) ITプロジェクトの先頭に立つことを指示しました。

マーケティング、財務、リスク管理、IT部門のスタッフで構成されたプロジェクト委員会は、Oracle、IBM、Sybase のテクノロジーも検討しましたが、顧客情報システムやデータウェアハウスなどの自社で構築したソリューションを拡張することに決定し、Teradataプラットフォームでこの新しいプロジェクトを展開することにしました。

委員会では、この新しいデータウェアハウスから最も恩恵を受けるアプリケーションを優先し、プロジェクトを 4段階に分けて四半期ごとに 1段階ずつ完成させ、定期的に成果を出せるようにしました。

一方、プロジェクトの投資収益(ROI)についてはあまり心配しませんでした。「経営情報のROI とは何でしょうか?こ の情報がないために逸する機会とはどうやって見積もるのでしょうか?」と Kok氏は問いかけます。もっとも、同氏は各部門が協力して同じ問題に取り組むようにできれば、個別に対応するよりも約40%コストを軽減できると見積もっています。また、ヨーロッパの会計規則を遵守する能力が向上すると考えています。

“経営情報の ROI とは何か?
この情報がないために逸する機会とはどうやって見積もるのか?
− Robbert Kok氏、SNS Bank

変化の威力

SNS では拡張した EDW を活用するアイデアに欠くことはありませんが、そのアイデアを実らせるのは簡単ではありません。今年、SNS には予算の制約があるでしょう。それでも EDW の拡張は成果を挙げており、次のような新しい取り組みを実行してコスト節減や利益創出機会を生み出しています:

  • 全行的にデータを使い、既存商品の改善や新商品を開発する。例えば、住宅ローン顧客維持プロジェクトにより、マーケティング部門はリスク管理部門からの情報を利用して、住宅ローンの顧客に特別な提案を行う
  • ATM で顧客一人一人に合わせた提案を行う

また、次のことも可能になると期待しています:

  • さまざまなソースや業務から、より多くのデータを入手する
  • 顧客との対話的コミュニケーションを強化する
  • インターネットを利用して顧客の行動を把握する。顧客が注文する前にどんな行動を取ったかを理解すれば、一層優れたリスクモデルを構築するために必要なデータが得られる

SNS はこれらを達成できると確信していますが、その理由の 1つが、EDW の拡張により、すでに効果が現れていることです。その大きな変化の 1つが、各部門が共同でプロジェクトに取り組むケースが増えていることです。「このプロジェクトを実施したことと各グループが協力し合ったことにより、新しいプロジェクトに共同で取り組むようになっています」と Douw氏は指摘しています。共同作業に基づいて決定を下すことにより、すべての問い合わせに対して回答を標準化できます。また市場で出現したチャンスを生かすだけでなく、自らチャンスを創出することができます。SNS はテクノロジーを新しい方法で利用することによって、支払余力を維持し、顧客や市場の動きに対応しています。


Behind the solution

データベース :

Teradataデータベース V2R6.1

プラットフォーム:

Teradata Active Enterprise Data Warehouse 5400 4 ノード
Teradata Active Enterprise Data Warehouse 5450 2 ノード
Teradata Active Enterprise Data Warehouse 5500C 3 ノード

ユーザー数 :

100(30同時利用ユーザー)

データモデル :

物理モデル 第3正規形モデル、論理モデル Teradata FS-LDM

オペレーティングシステム :

SUSE Linux

ストレージ :

27.7TB (3 システム合計)

Teradataユーティリティ :

Teradata ツール& ユーティリティ 8.1

ツールとアプリケーション :

Informatica、Microsoft、SAP、SAS、SPSS

Patricia Keefe氏 :
Patricia Keefe氏は、ハイテク技術関連の出版に 30年従事。技術がビジネスに及ぼす影響やハイテク技術ビジネスについて執筆している。

Copyright (C) Teradata Magazine 日本版 - Vol.18 2009年

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