ホーム > ライブラリー > Teradata サクセスストーリー > Travelocity 「データの理解が成長の鍵」(2)
はい。まず、プロジェクトを定義する方法が変わりました。データウェアハウスにはレポート用のすべてのデータが集められるので、うっかりしていると瞬く間にゴミ集積場のようになってしまいます。その結果、ビジネス上の意思決定を行うためには、まずデータの複雑性の問題を解決しなければなりません。これには時間と専門知識が必要です。
さらに、データウェアハウスを基に策定されたプロジェクトは、機能本位であるケースが多いため、データの使用方法や、ビジネス部門が本当に測定したいのは何であるか、といったことへの配慮がないという問題がありました。ビジネス部門と開発部門の関係が逆転していたのです。
ガバナンスの面で努力を重ね、企業文化も変革しました。例えば、当社には設計、開発、モデル化、保守の全てを担当するフルライフサイクルの開発者がいて、無数のデータの島が出来る原因となっていました。
そのため私たちは、ホリゾンタルな観点から会社全体を把握するエンタープライズ・ビューのコンセプトを念頭に、チームを再編成しました。ビジネス部門との協力体制も築きました。そして、様々な職域の人と定期的に会議を開いて、サブジェクトエリアについて協議し、各サブジェクトエリアのエンタープライズ・ビューに向けて一歩一歩変化を遂げていきました。業務面では、測定、監視、数値化の範囲を拡大しました。
2年前まで、主要なデータロードは午後に行っていましたが、現在は SLA(service-level agreements:サービス品質保証制度)を確立し、サービスレベルを明確にしています。たとえば
“データはいつ必要か?” を基準として、データ遅延などの影響を表わす数値を決定し、それを加算していくのです。
提供するサービスに関しても多くの労力を注ぎました。いくつかの領域を特定し、ビジネスの可視化が得られるように調整した上で、「これが X%向上したら、そこから(一定金額の)価値が得られる」という数値を確立し、ビジネス部門の支持を得ました。
この成果の 1つとしては、ビジネス部門の意識の変化が挙げられます。新機能の導入は“追加のための追加”に終始しがちでしたが、今では、問題の見極め・解決のための投資が求められています。
はい。これは“Jenny Craig!”と呼ばれるプロジェクトです。このプロジェクトでは、まずデータウェアハウスに格納されるデータを
1つずつ識別し、続いて利用統計を評価しました。その結果、機能本位のプロジェクト・データの多くが未使用で、まったく価値を生み出していないことが判明しました。また、生み出される価値に比較して保持期間が長すぎるサブジェクトエリアも見つかりました。最終的にアーカイブしたデータ量は
1テラバイトでした。
しかし、このプロジェクトにおける本当に重要な成果は、2つのメッセージが社内全体に届いたことでした。第一のメッセージは、データウェアハウス環境はタダだという観念を無くして欲しいということです。ビジネス部門がデータ資源を使用するとき、その資源のコストが意識されることはほとんどありません。しかし、私たちの仕事は企業の価値を増大することです。これはつまり、(a)ここでコストが発生すること、そして(b)資源の使用によりもたらされる価値の測定が可能なこと、を人々に周知させることを意味していました。
私たちはビジネス部門の収入増大をサポートし、同時にデータウェアハウスの意思決定は、テクノロジーではなく予算の意思決定であるとの意識を徹底させました。その結果、ビジネス部門のパートナーが私と共に考え、「私たちはこれを作り、これだけの収益を得る」といった、投資についての意見を聞かせてくれるようになりました。
これは 2つ目の成果につながりました。その成果とは、データウェアハウスの資産への可視化が高まり、その管理状況を的確に把握できるようになったことです。
最も重要なのは、コミュニケーションの問題、コミュニケーションの要素です。例えば、レポートに問題があると、その原因究明はデータウェアハウスを調査することで行なわれます。この可視化を作り出し、問題が発生したらすぐに把握することは私たちの仕事です。
私たちはデータ品質面のテストを繰り返し行なってきました。データ品質に対する要求がどの領域で厳しいかは、システムによって異なります。このことは、常に心に留めておかなければなりません。構造の問題と、データの不足や効率性といったデータ自体の問題はまったく別のことです。そのため、私たちは品質面、すなわち主要領域を対象とした品質監視プロセスに多大な努力を払いました。今ではリアルタイムで、しきい値を超えたデータや、最悪の数値を示すデータを特定することができます。そして、これらの結果を社内に公開し、社内に蓄積されたデータに基づくインフォームド・ディシジョンの環境を実現しています。
アクティブ・データウェアハウジングを目指しました。
鍵を握っていたのは、データからアクションを起こすまでに要する時間、すなわち待ち時間でした。データのロードは、TPump
によってほぼリアルタイムで行なわれていました。TPump は対象領域でのビジネス・イベントを、発生と同時に把握できるユーティリティーです。アクティブ・データウェアハウジングを実現するこの機能により、データウェアハウスに保持される履歴データを対象に、業務システムからリアルタイムにアクションを起こすことが可能になりました。
また、アクティブ・データウェアハウジングへの取組みによって、キャンペーン管理プロセスのチャネルの 1つ、ウェブの利用も容易になりました。
測定対象を可能な限り拡大しています。これには、ユーザー数、ビジネス機能、各機能の使用頻度、容量使用率などが含まれます。“測定できないものは監視できない。価値がないものには労力を費やさない”
というのが私たちの基本姿勢です。
現在はアクティブ・データウェアハウジングがあるので、数字は膨大な量になっています。かつて 15万件だった一日の平均クエリー数は、今では
150万件以上に上ります。しかも、データウェアハウスには多種多様なアプリケーションがアクセスしています。従来のデータウェアハウジングでもクエリーを発行するユーザーは大勢いましたが、現在は従来の
DSS(意思決定支援)クエリーに加えて、150万件の戦術的クエリーも発行されています。正直なところ、実践の中で学習しているというのが私たちの実感です。
当社は、テクノロジーのトレーニングに多大な投資を行なってきました。スタッフには、テラデータの認定技術者制度で最上位の資格であるマスター保持者が
7人いて、それぞれが専任で社員のサポートにあたっています。そしてチームの全員が、真の情熱を仕事とビジネスに注いでいます。テクノロジーに強く、情熱とビジョンを持つ人材を得たとき、献身的で結束力のあるチームが瞬く間に出来上がるのです。
しかし、期待される価値を提供するためには、データウェアハウス・グループ以外にも大勢の協力を得なければなりません。これこそが
Travelocity の活力源とも言えます。この仕事に対する情熱は、組織全体に満ち溢れています。
オンラインビジネス、すなわち e-business が膨大な可能性を持っていることは明らかですが、オンライン空間にデータウェアハウスが存在しなければ決して得られない情報もあります。
オンラインビジネスではたとえ何も購入しなくても、人々がどこで何を求めてショッピングをしているのかが分かります。これは従来型の小売業者には不可能なことです。我々は人々が実世界でどんなことに関心を抱いているかを把握し、それに基づいた商品を作ることができます。物理的な店舗がそれを行なうと一体どうなるのか、想像してみてください。顧客が店の前を通りかかると、その人の好みに合わせて店頭ががらりと変わるのです。このようなことが可能になると、変革は大きく前進します。そしてそれは、データウェアハウスによってのみ可能なのです。
Teradataウェアハウスの構成 : Teradata Database V2R5.0、6-node 5400 Teradata Server、4-node 5380 Teradata Server
ユーザー数: 220人
データモデル : Teradata LDMサブジェクトを使用した自社製データモデル
ストレージ :
総ディスク :37,668GB
ユーザーディスク :13,184GB
オペレーティングシステム : UNIX MP-RAS
Teradataユーティリティ : FastLoad、MultiLoad、TPump
ツール/アプリケーション : Teradata Warehouse Miner、Teradata CRM、
Business Objects社製品、Cognos社製品
Copyright (C) Teradata Magazine - March 2006