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分類コードの考え方とその実践
岡本 正昭 (おかもと まさあき)
流通ソリューション事業部
エグゼクティブ・コンサルタント
「第9回」手順2:コード内容の設計
前回まででコードの体系が設計できたので、次は各コードの内容を設計する段階である。コード内容というのは、例えば「商品分類」の101番はパン、102番はサンドイッチと分けるか、101番はパンと一本化してサンドイッチも含めるようにするか…という検討である。次回触れるコード名称は、この例で言えば一本化した場合に呼称を「パン」とするのか「パン・サンドイッチ」にするのか…といった検討である。コード内容とコード名称はほぼ同時的に検討されるが、決定の順としてはコード内容が先で、コード名称は後で良いということになる。
では図1 を見て欲しい。
コード内容設計のポイント
以下にコード内容を設計する際の考慮すべきポイントを 5つ述べる。
(1)基本はトップダウン
- 全取扱商品を 10 に分けるとどうなるか、次にその一つずつをさらに 10 に分けるとどうなるか…と繰り返して細かくしていく。
- 逆に細かい分類からボトムアップ的に積み上げるのは全く適さない。つまり、コード設計は常に大局が優先なのである。こうして上から分けることは、分類のバランスの確認にもつながる。
- 全社組織を 5 に分けると…というように、必ずしも 10 に分ける必要のないコードグループも場合によってはある。
(2)上位桁からの十進法
- なるべく半端なレンジ設定はしない。
- 例えば3桁のコードを用いて「100番台は婦人服で使ってください」とコード内容の記入を婦人服部長に依頼した時によくあるミスは、婦人服部が100、101、102、〜165、166 とびっしりと連続した番号を附番してしまうというケースだ。そして167〜199 が空き番になっている。この場合では 100〜109 は婦人重衣料、110〜119はカジュアルトップス、120〜129 はカジュアルボトムス、130〜139はセーター・ブラウス、…190〜199 は婦人フォーマルなどと十の桁でグループをまず決め、その中で該当の各商品に附番しなければならない。数字に出来るだけ意味を持たせるのである。またこの結果、十番台ごとに空き番が用意されることになり、後で追加したい時にも同じグループに追加することが出来る。
- こうして分ける場合、例えば3桁の「商品分類」の上一桁を「大分類」、中一桁を「中分類」、下一桁を「小分類」と呼んでおくと、レンジ設定的なミスを予防しやすい。
(3)分類のアンバランスに注意
- 分類作業の難しいところは、分類に大小のアンバランスが出来やすいことである。例えば101番の「パン」と 102番の「サンドイッチ」に分けると、相対的には「パン」の売上が圧倒的に大きくなる。このようにまじめに商品の用途/代替性で分けると、変になるケースがある。
- アンバランスになるのを防ぐには、いくつかのアイディアがある。
1.コード内容をツリーチャート(トーナメント図のようなもの)として作成
2.各コードに予定年商や担当者人数などを記入
3.各コードに含まれる商品群につき、マーチャンダイジング活動の複雑さ度合いを
比較する
これらを適宜組み合わせることで、より良いコード内容になっていく。
- 図2は婦人衣料をとりあげたモデルである。図の左側のように、年商10億円ずつの 10個のクラスがあったとして、それを右上のように重衣料をまとめて括ると、一見「当社は重衣料が強い」となってしまう。一方カジュアル系をまとめた右下のような括りにすると、今度は「当社はカジュアル系に強い」と見えてしまう。これは分類によるマジックである。このように、分類のバランスはビジネスの判断に直結しているので注意が必要である。
図3は実際にあった例である。あるスーパーマーケット店舗の食品で、12月のある平日と日曜の DEPT別購買率(バスケットのうちの何パーセントにそのDEPT の商品が入っているか)を見たものである。図にあるように、日配品(デイリー食品)はダントツの購買率であり、精肉類は一番低い。
では、このスーパーマーケットは日配品(デイリー食品)が得意で、精肉が不得意なお店なのか?
これも分類のマジックである。一般的には、このレベルの分類では日配品は洋風と和風に分かれているし、精肉類は牛/豚/鶏と3つに分けないで、「精肉」と一本になっている。もし、この企業がそのようにコード設計を変えたら、表が変わってきて、表を見ての判断が違ってくるはずである。
(4)当事者の判断と、統括者の判断のバランス
- 誰にでもわかる分類になっているか…は重要である。専門家である当該部門担当者にだけわかる分類では、一般の社員はもちろん、最終的には消費者にもわかりにくいということになる。消費者の持つライフスタイル的分類イメージで店内レイアウトが構成され、商品が並べられているお店は買いやすいわけで、結果的にはお客様の購買点数を増やすことにもつながる。
- 筆者のお勧めする分類判断基準は「新入社員にこの分類でわかるか?」である。
- 当事者(当該部門担当者)の「こう分けたい」という声と、統括者(コード設計責任者)の「そう分けるべきでない」という声を十分戦わせて、最終的な設計は行われるべきである。もちろん、筆者がコンサルタントとして参加する場合は後者の立場である。消費者感覚、素人感覚、ジェネラリスト感覚、つまりはその時代の消費ライフスタイル感覚が重要なのである。
(5)他のコードグループで取るべき内容ではないかチェック
- 歴史的にコード体系が追加され、整備されてきた今日、各コードの持つべき役割は分化してきている。百貨店業界で考えると、かつては「品番(売場)」というコードに多くの意味を持たせていた。ブランド、商品分類など現在では別々にコード設定されているものを、品番の中で設定していた。現在では当然、本来の「ブランド」「商品分類(クラス)」でそれらを把握するようになり、「品番」は売場を示すものになりつつある。
- 今でもある間違いの例として、「商品分類(クラス)」にブランドが設定されるミスを良く見かける。本来このクラスの中で「はたしてこのブランドを残すべきかどうか…」と検討すべきなのに、ドーンとブランドが居座っていてはおかしい。ブランドは「ブランド」というコードグループを別途とるべきである。
- このように、各コードの本来の定義を明確にし、そのガイドラインから外れないコード内容設計が大事である。
以上、コード内容設計のキーワードは、
である。