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分類コードの考え方とその実践

岡本 正昭 (おかもと まさあき)
流通ソリューション事業部
エグゼクティブ・コンサルタント

「第5回」小売業の業態とコード体系

いくつかの小売企業において、分類コードに関するコンサルティングや具体的コード設定のお手伝いをしていると、小売業の中でも業態によって分類コード設計に違いがあることがわかってきた。もちろん、同じ業態の中でも各社によって分類コードがまちまちであるのは確かだが、業態間の違いはもっと大きそうである。
ここでは図1 のように、百貨店とチェーンストア(GMS、スーパーマーケット)を取り上げ比較してみる。一般的には、ディスカウントストアや専門店は後者に近い。

図1. 従来の百貨店とチェーンストアの分類コード体系(例)

百貨店の分類コード

百貨店は、古くは 100年以上前から日本で企業化されてきたが、その歴史上、常に多くの商品部門を抱えてきている。特に日本の百貨店は、食品部門がウエイトを占めている点が欧米に比べ特徴的であり、多層階である点や外商部門の存在、消化仕入の比重が高い…等が他業態と異なっている。また、従来は各店仕入が中心であったが、最近、集中仕入を高める動きが見られてきている。一般的には、商品の管理は単品管理よりもグループ管理商品のほうが多い。消費者や店側から見て、フロアの中はかなり細かくかつ明確に区分けされ「売場」となっている。そして同じような商品群が、店内の複数個所(複数売場、時には複数フロア)で当然のように扱われている。

1. 百貨店分類コードの特徴

  • 販売組織コードの最下位は一般に「品番」であり、売価還元の単位でもあり、また予算管理の最下位でもある。「品番」は一般的に「売場」を示している。元来は「品別番号」を略して「品番」であるが、「品番」という言葉は他の業界では単品を示す場合が多いので、注意が必要である。あくまでも、商品でなく売場をあらわしている。売場マネジャー一人が 1品番を担当するのが究極の姿であるが…実際は複数品番を担当したりする。品番は「百貨店の経営管理とは、品番管理である」と言っても良いほど百貨店のあり方を示している。
  • 多くの百貨店では「仕入取引コード」または単に「取引コード」を採用している。「店」−「品番」−「取引コード」とたどれば、コンピュータでそれに対応した「取引先」「ブランド」「原価率」「仕入形態」などが紐付いている。
  • 「商品分類」または「クラス」は、商品の分類を示していて全店共通で使われる。「商品分類」は必ずしも「品番」の下位ではない。
  • 「ブロック」または「S/D」コードのように、売場の中をさらに区分するコードが存在するのも百貨店の大きな特徴である。顧客の購買ライフスタイルを意識してブロック分けして、店員の担当分けもブロック単位に行う。
  • 一部の売場では「単品コード」や「属性コード」が POS 入力されて、百貨店としては比較的細かい管理を可能にしている。

2. 百貨店分類コードの課題

  • 従来各店中心で運営されてきた百貨店が、最近チェーンオペレーション化を志向し始めてきた。この場合、再度「ブランド」「商品分類」が実際全店統一で運営されているかが見直されている。実際にはばらばらの運用になってしまっているケースが多いからである。
    また、「品番」や「ブロック」は本当に各店ばらばらで良いのか…という疑問も検討され始めている。
    いずれにしても、放っておくとすぐに各店各売場がばらばらにコード運用しがちな百貨店の場合、どこまで本部サイドがコントロールできるかが鍵である。

チェーンストアの分類コード

チェーンストアは百貨店に比べれば歴史も浅く、スタート時は米国の影響を大きく受けて発展してきたが、その分百貨店に比べてシンプルな管理運営が出来ている。そのおかげで、分類コードも単純な構造であっても管理できてきた。同じ商品群が店内複数個所で扱われることは、百貨店では当たり前に実践されているが、チェーンストアでは例外的である。

1. チェーンストア分類コードの特徴

  • 「DEPT」−「ライン」−「クラス」−「品番」−「単品」(またはアイテム)とピラミッドの上から下へと直線的に細分化されている。これは同じ商品群が複数売場や複数バイヤーによって扱われるケースが少ないからである。
    ただし、企業によっては上位コードが仕入系と販売系で分かれた別コードになっているケースもある。
  • 「DEPT」(または「DPT」「デプト」)というコードが販売組織管理最下位で、売価還元や予算管理もここで行われるというのが一般的である。店舗ではいくつかの「DEPT」をまとめてマネジャーがつく。商品本部では「DEPT」に対応して、中間管理職のマネジャーがつく。
  • 「ライン」は「DEPT」の下位で、詳細なMD管理用である。商品本部ではラインに対応して、バイヤーや DB(ディストリビューター)がついている。
  • 「クラス」は「ライン」の下位で、より詳細なMD管理用である。
  • 「単品コード」または「アイテム」は通常JANコードを使用するが、店内の大部分の商品に JANコードが付くため、JANコードを前提としたコード体系やMD管理が実行できる。もちろん例外はある。

2. チェーンストア分類コードの課題

  • これからは顧客のライフスタイル、もしくは顧客の購買ライフスタイルに沿った品揃えや売場作りが、チェーンストアでも求められてくる。即ち、売場内の「ブロック」、複数の売場を括る「ゾーン」のような概念をコード化する事が必要になる可能性がある。

分類コードの業態比較まとめ

  • 一般的に百貨店のコード体系は複雑、チェーンストアのコード体系はシンプル。
  • 従来、百貨店は各店仕入が中心、チェーンストアは本部集中仕入が中心。
  • 百貨店のコード体系は店舗内中心に設計されてきたが、チェーンストアのコード体系は本部中心に設計されてきた。
  • 百貨店はライフスタイル的「売場」展開コードが特徴で、チェーンストアは従来「商品」展開コードが主体。
  • 従来、百貨店はグループ管理主で単品管理従。チェーンストアは単品管理主で、グループ管理は例外。
  • 今後は百貨店も単品管理重視に移り、一方チェ−ンストアもライフスタイル重視に移るので、次第に似た方向に進むと見られる。

次回は、分類コードを実際に設計する際の手順を述べる。

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