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分類コードの考え方とその実践

岡本 正昭 (おかもと まさあき)
流通ソリューション事業部
エグゼクティブ・コンサルタント

「第3回」分類コードの種類

分類コードは色々な見方でその種類分けが可能である。図1 は、連載第1回目に図3 として掲載したものであるが、この図に出ている顧客カテゴリー・マネジメントと商品カテゴリー・マネジメントの 2大分野それぞれに、分類コードも存在する。

図1. 2つのカテゴリー・マネジメント

顧客分野では、顧客のランク、デシル、顧客カテゴリー等が分類されコード付けされる。商品分野は今連載の中心であるが、この中にも色々な種類の分類コードがある。筆者が商品分野で分けた種類は、図2 の 3種類である。

商品カテゴリー・マネジメント系分類コードの種類

あくまでも、筆者の見た一般論的な観点での種類分けである。

図2. 商品カテゴリー・マネジメント系分類コードの種類
  1. 商品コード
    ・商品系の分類コードグループの代表格である。
    ・商品の計画/アクション/動きの把握用である。そのため店舗の販売側だけでなく、商品本部(MD統括部)側においても情報活用のキーとなる。
    ・設計は商品本部(MD統括部)が主体となって行われるのが通例である。
    ・具体的な代表例として、「商品分類」「クラス」「カテゴリー」「スタイル」「単品コード」などが含まれる。
    ・一般的には点数管理用であるが、「商品分類」「クラス」「カテゴリー」など上位レベルのものは、商品本部の予算金額管理にも使われることがある。
    ・「ブランド」「色」「サイズ」「素材」等の商品に付随する分類やコードもこの範疇に含める。
  2. 運営コード
    ・売場の中やフロア、さらに大きいと店舗全体の中を、必要なくくりでとらえて売上の集計をしたいという場合がある。1. で述べた商品コードの集合でもなく、3. で述べる販売組織コードの集合でもない。
    ・例えば売場の中を「ブロック」分けして、各ブロックのメンバー(社員、派遣店員)を決めて目標管理するケース。
    ・複数フロアの東寄りが洋風関係で、西寄りが和風関係で、その東「ゾーン」と西「ゾーン」の売上集計をしたいケース。
    ・具体的な代表例は「ゾーン」「編集」「ブロック」「S/D(Sales Defined)」などが含まれる。S/Dは意訳すると「売場の任意コード」であり「ブロック」と同じ意味である。
    ・これら運営コードの難しさは、分類が流動的で、コード化やそのデータ収集方法構築が困難である点にある。
  3. 販売組織コード
    ・小売企業の管理の原点はこのコードにある。販売組織の予算管理、売価還元法等での荒利益計算を、いわゆるダラーコントロール(金額による管理)するための基準となる。一方で、人事面でも販売組織に属する要因の業績把握の単位として使われ、最終的には財務会計にもつながる元を管理する。
    ・具体的な代表例は、百貨店における「品番」とその上位コード「店」「部」「課」「係」など、チェーンストアにおける「DEPT(デプト)」とその上位コード「店」「部」などが含まれる。
    もちろん、ここでいう「品番」や「DEPT」は、企業によっては別の言葉が使われるケースも多い。

図2 の右端に示したように、「商品コード」を使う分野は主に点数で管理され、「販売組織コード」は主に金額で管理される。「運営コード」は両方が使われる。例えば「Aブロックは、今日 40枚売ろう」でも、「Aブロックは、今日 40万円売ろう」でもあり得るわけである。別の表現をすると、MD管理は「商品コード」で行い、運営管理は「運営コード」で行い、営業管理は「販売組織コード」で行うということでもある。

商品コードと販売組織コードとの関連

図3 は補足説明的な図である。

図3. 商品コードと販売組織コードとの関連

現実に企業が自社の商品コードや販売組織コードを設計していくと、商品本部(MD統括部)の組織と商品コードの体系の結びつきが強いため、販売組織コードと商品コードのどこが同じ分類コードで、どこは別々なのかという判断を必要とする場合がある。例えば店舗側の「部」は、商品本部(MD統括部)の「部門」と同じ内容なのか?店舗側の「品番」や「DEPT」は、商品本部(MD統括部)の「カテゴリー」と同じなのか?…といったような判断である。常に同じであることが必ずしも良いとは限らないので、企業の組織作りの方針、分類コード設計の方針を明確にして、その方針の下にどうするかを判断しないといけない。

3つのコード比較

整理のために、図2 に示した 3種類のコードを比較する。

図4. 3つのコード比較

表を見ていただけば大体理解いただけると思うので、以下にはポイントだけ記述する。

  1. 目的
    ・そのコードを使う目的。
    「商品コード」はマーチャンダイジングだけでなく、マーケティング(CRM)にも使われる点が重要である。
    「運営コード」にも主に 2つの目的があり、一つは刻々とダイナミックに変化する顧客ニーズへの対応を柔軟に行うこととその結果検証、もう一つは店員(販売員)への動機付けである。例えば、売場内「ブロック」は店員の担当範囲と対応し、今日の実績を把握し目標達成度合いを見る。
  2. 起点
    ・その分類コードを設計する際に、何から分類し始めるのかという点である。
  3. 継続性・横串性
    継続性とは、その分類コードの内容を変更しないで継続して使うべきものかどうかを論じていて、次項目「見直し時期」と対応している。
    横串性というのは、グループやチェーンの各店を横串して見られるようにするべきかどうか、つまり各店共通であるべきかどうかということである。
    「販売組織コード」の経営中心型 or 各店中心型については、小売企業が大いに悩むところである。経営中心型というのは、全店なるべく単純比較できるようにコードを統一し、経営者観点や商品本部(MD統括部)観点を満足させるというものである。一方、各店中心型は各店に最適の細かさで販売組織コードを設計仕様とするもので、例えば中型店 A店に 50人売場マネジャーがいるなら、最下位の売場管理コードを 50分類する、大型店 B店に 100人売場マネジャーがいるなら、売場管理コードを 100分類にするといったように、各店最適で決める。
    それぞれ一長一短である。さて自分の会社はどうするか…。
  4. 見直し期間
    ・「商品コード」は 3年経過したら内容を見直して、新しい商品分野や、いらなくなった商品分野を確認し小修正する。3年というのは経験値である。
    例えば、CD がいつまでもレコードという分類でカバーされているのはおかしいということである。見直しの時は、この分類は 3年以上継続する商品群かどうか、という観点で見るのであるが、これも結構難しい。
    筆者は何年か前に見直し時の例として、“玩具の分類中に「たまごっち」を入れるのは早計である。すぐにすたれたでしょう” などと話していたが、最近「たまごっち」がまた復活しているのである。
  5. 管理
    ・ここで注意を促したいのは、「計画」「目標」と「予算」の違いである。一見似ているが、「計画」「目標」は私的なもので「予算」は公的なもの、という違いがある。予算未達成は、その被害が当該部門だけでなく全社に影響を与える。一方、計画や目標はセルフコントロールのためのものなので、未達成は自分たちの問題にとどまるのである。予算さえ達成していれば、自分たちの計画が未達成でも全社に影響は与えないで済む。
  6. 単位
    ・(すでに述べたとおり。)
  7. データ収集
    ・この項のみ異質であるが、それらのコードのデータ収集をどうするかということを比較している。一番の問題は「運営コード」の収集の仕方である。前述のように、非常に流動的であるので値札に刷り込みにくい。何らかのシステムでの対応もしたい。そのため、大いに悩むところである。売上げ一つをとっても、POS 入力時にこの商品の「ブロック」コードをどう入力するのかが大問題なのである。流動性を犠牲にして無理にでも値札に刷り込むとか、POS 脇にコード表を置いてそのバーコードを読ませるとか、他のコードからコンピューター紐付けするか…等の案を検討することになる。
    これらデータ収集については、値札/システム/人間を絡めて検討しないとその企業にフィットした答えはなかなか出せない。

今回は分類コードの 3種類を取り上げたが、次回はそれに絡むテーマとしてチェーンオペレーションの形態との関係の上でのコード体系を論じてみたい。ここでいうチェーンオペレーションは必ずしもチェーンストア(GMS、SM、多店専門店)だけを意味しない。百貨店のように、数店舗である企業もチェーンオペレーションである。またチェーンの上位にグループという概念が必要な企業もある。

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