ホーム > ライブラリー > Teradata Insight > 購買行動分析による消費者理解 > 「第9回」購買ライフスタイル・カテゴリー分析 アプローチその1

購買行動分析による消費者理解

岡本 正昭 (おかもと まさあき)
流通ソリューション事業部
エグゼクティブ・コンサルタント

「第9回」購買ライフスタイル・カテゴリー分析 アプローチその1

今回と次回では、利用目的のうち 3つ目の購買ライフスタイル・カテゴリー分析を説明する。
9種類のパターンのうちでは、3A 、3B 、3C の 3パターンである。アプローチその1 は人間的な直感でカテゴリーをつくり、それを使ってシステム的な分析をするアプローチで、アプローチその2 は、まずシステムでデータ分析しカテゴリーを作成させるものである。今回はアプローチその1 である。 これはある米国の小売業 A社での分析例をステップを追って説明する。

第1ステップ = 30カテゴリーに分ける

まず、本部バイヤーと各店代表が集まって、人間が自社の顧客を30 のカテゴリーに分けると何と何になるかを決める。結果は図1 のようになった。例えば「おしゃれ志向」カテゴリー、「快適生活志向」カテゴリー・・。

図1. 店舗での購買客を30種類の購買ライフスタイル・カテゴリーに分類

第2ステップ = 30ヶの各カテゴリーごとにそれを指し示す商品を決める

次に図2 のように、カテゴリーを特徴付ける商品を決めていく。これもあくまでも人間的に判定する。例えば「おしゃれ志向」はアイメーキャップ商品、顔用メーキャップ商品、口紅 / ネイルケア商品・・ がバスケットの中に多く入っていればそう判定する。こういった判定ルールを決めてから分析に入る。

図2. 購買商品⇔購買ライフスタイル・カテゴリーの紐付けルールを設定

第3ステップ = POSデータを処理し各取引(レシート)ごとにライフスタイル・カテゴリーを自動判定

このA社では、32週間分 800万取引の POSデータ(レシートデータ)を使った。 この判定で注意すべきは、ここでいうライフスタイル・カテゴリーは顧客という「人のライフスタイル」ではなく、一つ一つの「買物のライフスタイル」だという点である。 同じAさんが月曜日は「便利 / 食品 / 飲料」の買物で、日曜日は「ファッション(婦人)」の買物であるように、その時々で異なるからである。小売業としてはこういった分析をする場合、人を知る必要はあまりなく、買われ方を知る必要があるので、「買物のライフスタイル」のほうが有効なのである。

第4ステップ = ライフスタイル・カテゴリーを使った分析

分析には色々なものが可能であるが、ここでは 3つのみ例として取り上げる。

1. 利益率の違い分析
図3 は利益率の分析である。30 のライフスタイル・カテゴリーのうちで一番利益率の高いのは「病気(処方箋)」カテゴリーで 27.19%あり、利益率最低は「愛飲家」の 4.15%である。

図3. 利益率の分析

2. バスケット当たり点数の違い分析
図4 のようにバスケット当たり点数を分析すると、「ファッション(子供)」が最高で、「病気(処方箋)」「写真愛好家」は最低である。「病気(処方箋)」は利益率では最高であるが、バスケット当たり点数では最低である。病気の人が元気に買いまわるわけではないのでこれは当然のことである。こうなると、利益率だけでなく、利益額も分析する必要が出てくる。
・・と言うふうに多角的に分析することが大事である。

図4. マーケット・バスケット当たりの平均買上点数

3. 頻度の高い購買ライフスタイル分析
単純に登場頻度シェアの高い順に 30のカテゴリーを並べる分析である。

第5ステップ = さらに深く分析し仮説検証

第4ステップの 1. 、2. 、3. を地域や店舗で比較検討する。図5 は 3.の活用例として代表的な
5カテゴリーの登場頻度シェアを特定地域内(中流より下の層が住む地域)の 4店舗間で比較したものである。 傾向にかなり差があることがわかる。異なる地域間ではもっと差が大きく出る。
これらを見て仮説と照らし合わせて修正アクションをする。

図5. 店舗格差分析

修正アクション例

別の企業での修正アクションの例を参考のため示す。
図6 は米国小売業B社の例であるが、カテゴリー「ベビー」を見つけその効率改善のためのアクションを実施した。それにより売上アップが実現できた。

図6. 修正アクションの例 = ライフスタイル陳列
ページの先頭に戻る