ホーム > ライブラリー > Teradata コラム > Ask the Expert 「企業の中核として活用されるアクティブ・データウェアハウジング」(1)

by Todd Walter
基幹業務の支援として使われる"オペレーショナルシステム"、つまり業務系システムはあらゆるサービスをユーザーに提供する。ユーザーは、電話、ネットワーク、Web、そしてOLTPシステムが、業務に支障のない程度のパフォーマンスレベルであることを期待する。その反面、意思決定を支援する情報系システム―DSS、データマート、OLAP、データウェアハウス―は、従来ビジネス・クリティカル(企業経営に不可欠)と見なされていなかったため、業務系システムと同じレベルの期待を寄せられていなかった。例外はあるものの、情報系システムは企業を動かす業務系ITシステムの枠外で構築されてきたからである。しかし、企業のあらゆる分野で情報系システムに対する情報提供の要求が強まっていることから、この状況は必ず変っていくだろう。
データ運用プロセスの効率化を目指す企業は―新しいシステムや追加のデータコピーを導入することなく―エンタープライズ・データウェアハウスの"シングルビュー"(データの一元的統合)と、充実した分析機能をフルに利用することができる。エンタープライズ・データウェアハウスがアクティブ・データウェアハウスに進化すると、意思決定に必要な情報の提供によってユーザーやビジネスプロセスを幅広くサポートできるようになる。このレベルのサポートを実現するにはデータウェアハウスのオペレーショナルな捉え方が必要である。
可用性、ノンストップ・オペレーション、24時間アクセス可能であることが、業務系システムの最も顕著な特性といえる。第一線のユーザー、さらには社外のユーザーにも様々な形でサポートを提供できるようにアプリケーションが構築される。従来のデータウェアハウス環境で採用されていた複雑なマルチシステム・アーキテクチャを簡素化する必要がある。また、会社全体が日々のデータウェアハウス運用にもっと関与しなければならない。
ユーザーが増え、データアクセスの要求が増えてくると、データウェアハウジング全体の主要部分をサポートするため、データマート、オペレーショナル・データストア、データハブ、データクリーニング・エリアなどを含む環境が作られる。複雑さが生じる原因は、数多くのシステムにデータが分散していること、データ処理にかかるプロセスが多いこと、データの重複が複数システムに見られること、そして異なるアプリケーションが独自のデータアクセスをしていることなどが原因となっている。
通常、このような複雑な環境をオペレーショナル化するコストは、データを集約して一元化するコストよりはるかに高くなる。Teradataはセントラル・データウェアハウス・アーキテクチャを提唱し実現しているが、このアーキテクチャによってデータマート、オペレーショナル・データストア、その他のデータコピー数が最小限に抑えられ、運用面の複雑さとコストが抑えられる。
セキュリティおよびプライバシーも簡素化するべき大きな要因だ。データウェアハウス環境を構成する十数の個別システムに顧客情報が分散している状況で、プライバシーポリシーの実施を監査人に証明することを考えてみたい。データが分散していると、アクセスのコントロールを立証することがむずかしく、またデータが移送、変換されるため、プライバシー関連のコントロール機能の精度を確保することも難しくなる。データが一元化され、1ヵ所でアクセスされたならば、セキュリティおよびプライバシーポリシーの実施、管理、記録、監査がずっと楽になる。
十数の個別システムに顧客情報が分散している状況で、果たしてプライバシーポリシーの実施を監査人に証明することができるだろうか?
多くのIT部門には、システムオペレーションの特定部分、例えばバックアップ、メンテナンス、スケジューリング、オペレーション、災害リカバリーなどを扱う専門グループがいる。このようなグループはデータウェアハウスに全く関与していないか、部分的にしか関与してないケースが多く見られる。アクティブ・データウェアハウスを業務系ITインフラストラクチャの'正式メンバー'にしなければならない。そのためには、データウェアハウスの運用に使われるプロセスとツールの変更が必要になる。
難しい原因は両サイドにある。オペレーション部門は通常、データウェアハウスのサイズ、フロー、利用状況、テクノロジーなどを知らない。一方、データウェアハウス・チームは一般的にオペレーショナルサービス・レベルでデータを管理した経験がない。多くの場合、さまざまなアプリケーションがデータウェアハウスによってサポートされているが、その内のほんの一部しかオペレーショナルサービス・レベルを必要としていない。大事な点は、この両者が互いに学び合い、各アプリケーションのビジネス要件を理解し、協力してその要件を満たしていくことである。
従来のデータウェアハウスでは、戦略的意思決定支援データへのアクセスはBIツールを使って行われる。クエリー、OLAP、データマイニング、SQLアクセスツールなどが主だったものだ。社内、社外を問わず、第一線ユーザーの大半はSQLを見たこともなく、使いたいとも思っていない。会社とのデータのやりとりは、ウェブページ、グラフ、ボタンを使って行うからだ。 従来のアクセス方法は現在でも在来型データウェアハウス・ジョブには適しているが、第一線ユーザーには新しいデータウェアハウス・アクセス方法が必要だ。ウェブアクセスと然るべきウェブサーバー環境が基盤となる。アプリケーションの導入にはコンポーネント・アーキテクチャ―ウェブサービス、EAIミドルウェアおよびコンポーネント開発環境―が適している。これらのコンポーネントは、標準アクセス方法でデータウェアハウスにアクセスするが、DBMS環境内の更なるアプリケーションロジックを利用することも考えられる。Teradataは、オープンな標準データベース・インタフェース(JDBC、ODBC、OLE‐DB)、EAIアーキテクチャまたは大手EAIベンダー向けアダプタおよび、これらベンダーとの提携を組み合わせたコンポーネント・アーキテクチャへのオープンなアクセスにより、新しいアクセス・アーキテクチャをサポートする。
アプリケーションの設計に影響を及ぼす要因の例を挙げると、極めて鮮度の高いデータの必要性、第一線ユーザーへのアクセス権提供、ワークロードの管理などがある。データウェアハウスの視点から見れば、これらのアプリケーションは大きく異なるが、その手法は業務系、取引処理系アプリケーションの開発担当者にとっては見慣れたものだろう。
Copyright (C) Teradata Magazine - June 2003