ホーム > ライブラリー> Teradata コラム> 技術革新とともに 「RDBMSの歴史」(2)
Oracle および IBM SQL/DS の初版は、リレーショナルデータベースの定義および操作に使用する事実上の業界標準言語として
SQL を採用することを約束していた。(Codd博士が初期 RDBMS研究の一部として SQL
を作成したと一般に思われているがこれは間違いで、SQL は IBM の System R研究プロジェクトの一部として開発された)
アメリカ規格協会 (ANSI) は、1986年最初の公式 SQL規格を発表した。できるだけ短期間で作業を進めるために、SQL委員会は
System
R の SQL資料に基づいてこの規格を決定した。
SQL の開発に協力したプログラマー Don Chamberlin氏は「当時は欠点が分かっても、そのままにして是正しようとしませんでした」と "1995年SQL
Reunion" 会合で語る。Stonebraker助教授は SQL開発における IBM の役割について、「IBMは、SQLが完全な設計ではないことを知っていました。修正できるのに修正しませんでした」など、遠慮せずに意見を述べている。
しかし、SQL標準化に向けた動きは RDBMS の進化で重要なステップであったことは疑いがない。Gray氏は「リレーショナルモデルが、コンセプトから具体的なものになりました。SQL構文に関するコンセンサスおよび標準化が大きな役割を果たしました」と指摘する。
SQL が複雑になってしまったと多くの人が思うとおり、ANSI SQL規格 (SQL:2003) の最新版は1,000ページを超えている。Gray氏は「一般に、進化は複雑化を伴うが、同時に多様性と機能性が大幅に向上します」と語り、「FORTRAN
が最後のプログラミング言語ではなかったように、SQL に代わるものが出現するでしょう」と付け加えている。
Date氏は「SQL は実際のユーザーのための言語ではなくなり、開発担当者の言語になってしまいました」Stonebraker助教授は「現在の
RDBMS製品とのもっと単純なインターフェースが必要です。これによりグラフィカルインターフェースやセルフチューニングで解決できるかも知れません」Brobst氏も同じ考えで、「このように益々複雑になったため、ベンダーは開発担当者やユーザーのために
SQL を生成するユーザーインターフェースの開発を迫られています」と言う。
1990年代、リレーショナルテクノロジーが再び攻撃された。今度は、オブジェクト指向データベース陣営からであった。しかし、いくつかの理由によりオブジェクト指向データベースシステムは成功しなかった。その大きな理由の
1つが、汎用の商用データベース処理のパフォーマンスが劣っていたためであった。最終的にリレーショナルデータベースが勝利したが、この論争により、オブジェクトタイプの機能をリレーショナル製品および
SQL規格に追加することになった。
SQL のオブジェクト指向への動きに誰もが賛成しているわけではなかった。Date氏は 「1990年半ばから後半には、多くの人はオブジェクトデータベースがリレーショナルデータベースに取って代わるだろうと言っていましたが、この論争は立ち消えました。オブジェクトの考えを
SQL に入れたのは大きな間違いであったと私は思っています」と語る。
Gray氏の見方は違う。「CODASYL に起因する問題でリレーショナルデータベース関係者も犯してしまった間違いの
1つが、データとアルゴリズム
(プログラム) を切り離したことです。オブジェクト指向の人たちは、これを初めから悔いていました。しかし幸いなことに、データベースとプログラムの統一が今起こりつつあり、2010年までには完成するでしょう」と語る。
21世紀を迎え、RDBMS は益々機能を追加しマーケットに浸透している。RDBMSベンダーは分析およびデータマイニング機能をデータベースエンジンに追加し、常にパフォーマンスを改善し、より簡単な自動管理機能を実現し、複雑なデータ
(空間データ、マルチメディア等) をサポートできるようにし、Linux もサポートできるようになりつつある。
RDBMSベンダーの最近の動きとして、XMLデータのサポート、XML拡張版の SQL への追加や XMLクエリー
(XQuery) 機能の実現が含まれた XML のサポートをリレーショナル製品に追加している。XML支持者の中には、XQuery
が SQL に取って代わると考えている人がいる。
では、専門家は XML や XQueryがRDBMS に及ぼす影響をどう考えているのだろうか?「XML
は、過大評価されています。XML は、メッセージをネットワーク全体で取り扱うのに非常に優れていますが、データの保存や操作には余り適していないと思います」と
Stonebraker助教授は言う。
Brobst氏の見方はかなり違う。「RDBMS製品が進化するのに伴い、ベンダーは XMLベースのデータを含めいろいろ複雑なデータタイプのサポートを追加しました。データ処理をデータベースエンジンに移しパフォーマンスを改善することができます。このことは重要な前進です」
Date氏と Gray氏は、慎重な意見だ。Date氏は「XQuery が特に優れている言語だとは思いません。XQuery
はクエリー言語ではなく、プログラミング言語です」と言う。Gray氏も同じ意見で「XQuery には問題があります。XQuery
に代わるもっと明確で単純なものが出現するのではないかと思っています」と言う。
Copyright (C) Teradata Magazine - September 2004