世界最大手のネットワーク関連機器プロバイダーであるシスコシステムズ(以下、シスコ)は、過去 20年以上にわたり、ビジネスにおける意思決定を支援するデータウェアハウスを運用してきました。しかし近年、ビジネスがさらなる急成長を遂げる中で、システムが限界を迎えているとの認識に至り、データアーキテクチャと情報系システムの変革に向けた取り組みに着手しました。

米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置くシスコは、全世界 75 の国々に 67,000人以上の従業員を擁しています。データアーキテクチャと情報系システムの変革に向けた取り組みの実行に際し、同社では “意思決定における優位性” の実現を目的として、会社に存在するさまざまな情報を、いつでも、どこでも、どんな端末に対しても、個人の洞察へと変換できる環境の構築をビジョンとして策定。その戦略として、信頼できる情報を、適切なタイミングで、適切な人に提供することはもちろん、情報と情報を結合することにより新たなビジネス価値を生む、社員の “情報体験” が広がることを目指しました。
そうしたコンセプトを実践していくうえでは、「データウェアハウス構築」「マスターデータ管理」「BI(ビジネス・インテリジェンス)活用」「情報ガバナンス」という 4つの領域の密接な連携が不可欠です。そこで、財務や人事、営業、マーケティングといった部門ごとに活用していた Oracle のデータマートや情報系システムを Teradata に統合することを決定しました。“縦割り化” された形で独自に活用していたものを、全社的なプラットフォームに統合し、BI機能なども共通化されたサービスとして提供していくことにしたのです。
部門最適で乱立していた Oracleサーバーを集約し、全社最適のための新たな情報プラットフォームとしてシスコが選んだのが Teradata でした。高度なパフォーマンスとスケーラビリティを兼ね備えた Teradata には、同社の目指す統合情報基盤の機能要件を満足させる大きな安心感があったからです。
既存のシステムから Teradata をベースとした新たなプラットフォームに移行するに当たって、まずシスコが取り組んだのは、データ・ソースを集約して SSOT(Single Source of Truth)を担保することでした。また、単なるレポーティング・ツールであった BI を多次元分析やダッシュボードの利用にも耐えられる仕組みとしてユーザーに提供しました。
具体的なマイグレーションの手順は、これまで個別の Oracleサーバー上でバラバラに管理されていた財務や製造のデータ、さらには営業やマーケティングのデータも含め、すべての情報を Teradataで構築したデータウェアハウス(DWH)上に集約しました。このとき、データを単純に同一のリポジトリに格納したわけではありません。同社では、DWHの処理パフォーマンスの向上を図るために、テラデータから推奨された内容に沿って、それら多種多様なデータを互いに結合し統合的に管理するというアプローチをとりました。旧来のシステムでは処理スピードの問題から、こうした方法を採用することができませんでしたが、パフォーマンスに優れた Teradataに移行することにより可能になりました。
同社では、こうしたマイグレーションの作業を、財務や人事、営業、マーケティングの部門ごとに、それぞれが抱える情報活用に関する課題を IT部門とともに検討しながら、データ統合に関する投資対効果を定量的に示して、順次ステップを踏んで進めていきました。そうした漸進的できめの細かいアプローチを採用した背景には、データを新たな Teradataプラットフォーム上に移行することの価値を、各ユーザー部門において事前に十分に認識してもらうという狙いがありました。
情報系システムとしての部門Oracleサーバーはその役割を終え、Teradata を中核とする全社情報プラットフォームへの移行を完了しており、すでに多様な側面で統合の効果が確認・報告されています。たとえば、データモデルの再利用や BI機能のサービス化による大幅なコスト削減が可能になったことをはじめ、システム管理やプログラム開発に要するコストも大きく低減されました。さらに、各現場での正確なデータに基づく適正な意思決定は、市場ニーズに即した対応を迅速化して収益の向上に直結するとともに、逆にビジネスにおける機会損失の最小化にも貢献し、収益の確保・拡大にもつながっています。
(本事例は、国内最大級のデータウェアハウス・コンファレンス「Teradata Universe Tokyo 2012」のセッションで発表された内容です。)
関連リンク
Next Steps
お客様のビジネス課題、IT課題のご相談にお答えします。
