
株式会社DCキャッシュワンは、三菱東京UFJ銀行グループの銀行系消費者金融として 2002年3月に営業を開始しました。顧客との対面業務は新宿西口支店でのみ行い、他はコンタクトセンターによる非対面型営業を行っています。業務内容は、利息制限法内でのカードローンとクレジットカードの保証業務で、国内初の試みといえるクレジット債権への保証業務においては、三菱東京UFJ銀行のスーパーICカード等の顧客を対象にショッピング・キャッシングの債権保証を実施しています。今後はノウハウの蓄積と与信技術のさらなる向上に努め、個人与信業務を検討している金融機関への提携事業の展開も視野に入れています。
消費者金融業界においては、底堅い顧客ニーズを背景とした、ターゲット顧客層への宣伝広告による訴求がマーケティング施策として重要でした。
競争激化の時代を生き残るためには、その精度を高める必要があり、宣伝効果、利用状況、解約状況等をより精緻に分析できる環境の構築が必要でした。加えて、賃金業法の改正によりマーケットが大きく変化したため、従来の尺度での検証だけではなく、与信モデル、優良顧客の定義等、新たな尺度作りも重要な業務課題となってきました。
同社では、従来収集されていなかった範囲の顧客データを新たに蓄積し、それらのデータを統合して分析することにより、業務の効率化、顧客を重視したビジネスの展開を目指しました。その際に実現目標として掲げたのは、次の 3つからなる顧客重視施策でした。
同社は非対面取引により業務を展開しているため、マーケティングの巧拙は全てデータ活用の如何によって決まります。Teradata によるデータウェアハウス(以下、DWH)は、会社の命運を担う重要なプロジェクトでした。今回構築したシステムでは、業務系システムと勘定系システムから生成されるデータを、日次で ETL(Extract, Transform and Load)を通じて Teradata による DWHサーバーに格納しています。
新たな尺度を作る、これまで気づかなかったことに気づく、ということを目標としたため、格納対象データを絞り込むことはせず、顧客や業務に関するデータをできるだけ多く取り込むというコンセプトで構築を開始しました。
その際、構築の大きな助けとなったのは、Teradata から提供された論理データモデル(LDM)です。
Teradata のワールドワイドな経験に基づき、金融機関にとって必要なデータを体系的に整理したこのモデルを参照してデータベース設計を行うことにより、全てのデータを整理して取り込むことができました。
また、取り扱うデータ項目の拡大に対応すると同時に、各社員が業務に応じて分析を行う環境を整備するために、ユーザーごとに公開できる情報の選別や個人情報保護対策を徹底し、効率的でありながらセキュアなシステム構築に取り組みました。データ利用は、主に、Teradata から提供された AccessNavigator という BIツールによって行われていますが、その基本機能を活用し、ユーザー別に参照できるデータを設定しています。
Teradata の DWH を導入した同社では、3つの顧客重視施策に貢献する多くの分析結果が導き出されています。
例えば、広告媒体や広告メニューと、その広告経由で取引が始まった顧客の収益性や貸し倒れ情報を相互に分析することにより、効果的な広告を割り出し、広告展開先の見直しを実施しています。あるいは、コールセンターにおける顧客とのコンタクト内容や時間を分析することにより、顧客満足度の向上と業務の効率化を両立させる、コンタクト業務の適正化を実施しています。
また、以前はデータ分析作業が限定された社員に帰属していたため、どんな分析をするか、どんなことが分かったかについて偏りが生じていました。しかし、Teradataシステムの導入に際して全社員がデータを分析できる環境を整えたため、データの活用/分析が組織全体に広がりました。
これまで分析の対象になっていなかった業務についても、業務上の「気づき」について各担当者が分析を実施することが可能になったため、多くの新たな真実が見つけ出されています。同社ではその「気づき」に関する分析について評定を行い、業務への反映を実施しています。さらに、全社員がデータを分析できる環境が整った結果として、現場社員から中間層、経営者層へと至る情報伝達が迅速になり、業務における意思決定をスピードアップさせることができました。
顧客重視施策を実施するにあたりデータベースマーケティングが必要と判断した DCキャッシュワンが、Teradata を採用した理由およびその結果は、次の通りです。
また、適切な教育により、多くのユーザーにデータ活用が広がりました。