
株式会社コメリは 1952年4月に「米穀商米利商店」として創業、1962年7月に「株式会社米利商店」を設立し、1985年7月に「株式会社コメリ」へと商号変更しました。現在では、一般家庭の暮らしの必需品から建築や農家のプロ向け資材まで幅広くサポートする「コメリホームセンター(HC)」を中心に、次世代大型店舗「パワー」、DIY用品と園芸用品に特化した「コメリハードアンドグリーン(H&G)」などを展開。43都道府県に 843店舗、8拠点の物流センターを持ち、20期連続で増収増益を記録しています(2007年3月末現在)。
コメリは流通の近代化を通じて、お客様が必要とする商品を「タイムリーに」「納得の価格で」「安定して」お届けする仕組み作りを目指しています。
近年、同社では従来のホームセンター経営に加え、新しいビジネスとして「KOMERI .COM」や「産直市場」などのネットショッピング、さらには取付施行サービスや総合的住宅設備の提案といったリフォーム分野にも注力し、事業の拡大を推進しています。しかし、5年前から利用している旧データウェアハウス(以下、DWH)はあくまでコメリ単体のデータ管理を主眼としていたため、M&A等により拡大したコメリグループとしての対応が難しいという大きな課題を抱えていました。
具体的には、複数のグループ企業を一元管理できないシステムの構造的問題、利用者の拡大に伴う情報量増加を要因とする分析処理時間の遅延、多種多様なレポートを作れる反面、統一目標に対する管理が行えない、といった問題が発生しました。また、利用者が増えることで堅牢なセキュリティの確保も重要視されるようになりました。そこで、各グループ企業のデータを一元管理し、分析手法を統一できる新たな DWH の構築が求められました。
同社の旧DWH は、業務の中核を担うセントラルDWH と、複数のグループ企業に対応するための法人DWH に分割されていました。セントラルDWH は 2年分の実績データを蓄積し、定型・非定型にて組織や商品などの階層別に検索が行える仕様でした。一方の法人DWH は M&A との環境変化に対応し、売上や在庫といったマネジメントに要する情報を利用者に提供していました。
Teradata を用いて構築された新DWH は、これら二分されていた従来システムの統合を実現しました。
開発は、同社のグループ企業の一社であり、コメリグループの情報処理システムの開発と運用を担当する株式会社ビット・エイが行いました。2006年2月から本格的な開発がスタートし、2段階のステップに分けて構築が進められました。
まず、法人DWH を残し、セントラルDWH の機能を移行して並行稼働する第1ステップが実施され、同年8月中旬からサービスを開始しました。続いてセントラルDWH の機能を完全に置き換えて新規要件を追加し、法人DWH を統合する第2ステップが行われ、12月末より実稼働しています。
Teradata の導入により、グループ全体の統合分析が可能になったのはもちろん、各機能の使いやすさも大幅に向上しました。そのひとつが定型検索における売上参照画面の視認性の向上です。売上を法人別・連結・業態別・地域別に見やすく一覧化し、同時に予算比・前年比・既存比・客数・客単価といった各データの推移も確認できるようになりました。
また、販売実績などをグラフ化し、利用者を視覚的にサポートする機能も盛り込まれました。これにより、利用者がデータの切り口を自由に変えて販売や仕入れ、在庫などのトレンドを追跡し、迅速な判断を行えるようになっています。
Teradata は、旧DWH の大きな課題であったレスポンスの改善にも効力を発揮しました。社員の多くが月曜日の朝に先週や日曜日までの数字データを確認、問題を分析して定例ミーティングに臨むという方法を採っています。その結果、月曜日の朝になると多くの社員が一斉にシステムにアクセスすることにより、多大な負荷がかかっていました。これにより検索レスポンスが低下して結果がなかなか表示されず、利用者にかなりのストレスを与えていました。
しかし、新DWH の導入後は部門別広告総括やベスト・ワーストレポートなど、さまざまな面において当初の目標値をはるかに上回るレスポンスを実現しました。このことはユーザーのストレスを解消し、システム利用率が約2倍になるという快挙にもつながりました。
また、Teradata のジョブ優先制御や高負荷時自動制御などの機能も、システム負荷の軽減に大きな効果を上げています。例えば午前中は定型検索を、夜間にはバッチ/バックアップ処理を重視するなど、優先度や利用頻度に応じて時間帯別にシステムリソースの自動分配が行えるため、エンドユーザー要求への対応とシステムの安定運用を両立できる環境が整いました。
そのほか、株式会社野村総合研究所の統合運用管理ツール「eXsenju」との連携により、システム運用の一元管理とジョブ・スケジュールやシステム・リソースの状況の自動監視を実現できたことも大きな成果といえます。
新DWH の構築に際しては、グループ総計と法人別のどちらでも即時に対応できる統合分析の実現を絶対条件とした上で、いくつか重要視される要件がありました。
具体的には、
などです。そこでまずメーカー 10社の候補から 3社への絞り込みを実施、さまざまな視点から各システムが比較検討されました。その結果、パフォーマンス、拡張性、安定性、システム負荷自動調整の各項目において Teradata が圧倒的な優位性を発揮していることを確認しました。
Teradata は、これまでコメリのシステム構築において導入実績を持たない企業でした。しかし、Teradata の DWH が世界中の多くの企業で利用されている実績と、幅広いニーズに対応できる柔軟性、高い信頼性を兼ね備えていることが Teradata採用の決め手となりました。
コメリの取締役業務改革推進室ゼネラルマネジャーの石澤登氏は「加えて、プロジェクト自体を非常に短い期間で実現する必要があったことも、Teradata採用の大きな理由でした。これは、Teradata のデータベースが DWH構築のために設計されており、スムーズなシステム構築が可能だと判断したからです」と語っています。
このようにして導入された Teradataは、旧DWH が持つ課題を完全に払拭し、現在では事業拡大の新たな基盤として活躍しています。