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「FS支援システム」:
「新FS顧客支援システム」:

北陸コカ・コーラボトリング株式会社(稲垣晴彦代表取締役社長、以下 HCCBC)は、富山、石川、福井の北陸 3県と長野県をテリトリーとする日本コカ・コーラ社のボトラーシステムの 1社です。フランチャイザーである日本コカ・コーラ社と、製造・販売を行う国内 14社のボトラー各社で構成する事業体のコカ・コーラ システムは、2005年度に約6億4400万ケースを国内で販売し、全国の清涼飲料において 31%のマーケットシェアを持っています。その約5%の 3100万ケースを販売する HCCBC では、テリトリー内に自動販売機を 5万6000台設置。うち約2万7000台を自社管理しており、この自社管理分は「フルサービス(FS)」と呼ばれています。
日本で清涼飲料産業が誕生して 45年。右肩上がりの成長を続けてきた市場も、ここ数年は 1%程度の低成長が続いています。商品ライフサイクルの短期化や消費者ニーズの変化が激しい環境で、市場占有率ナンバーワンを維持するコカ・コーラ
システムも、ライバル企業と顧客の争奪戦を展開しています。
1998年に全国で 235万台設置されていた自動販売機は、2004年には 242万台と 7万台増加した一方で、販売数は 8200万ケースの減少となっています(飲料総研調べ)。
清涼飲料がディスカウント商材となりつつある現在、おおむね定価販売が守られている自動販売機での販売減少は、経営上大きな痛手となります。しかも、コンビニエンスストアの活況や競合他社による自動販売機市場への拡大戦略、そして新製品の開発競争は、人件費や販促費、物流費などの拡大を招き、自動販売機ビジネスの利益を圧迫しています。
これらの課題を解決するためには、売り場(自動販売機)を地域生活者の生活行動に即した形に最適化することが重要になります。そのため、消費者を正しく理解するための仕組みが求められていました。
コカ・コーラ システムでは、1990年代から業界に先駆けて自動販売機の IT化を進めています。先ず始めに、ほぼすべての自動販売機内に、販売実績や故障などのデータを蓄積し、サービス担当者が商品を補充する際にそれらのデータをハンドヘルドコンピュータで収集するオフラインシステムを導入しました。
コカ・コーラ システムでは、このようにして集めた自販機明細データを Teradata のデータウェアハウスで自販機毎に分析することにより、売り切れを抑止し、補充率を改善する
「FS(フルサービス)支援システム」 を構築しました。
また、2002年には HCCBC がこれらの自販機 ITインフラを基に、より的確な売り場管理と製品補充活動の効率化を図るために、自動販売機内データを通信回線で収集するオンライン方式の「新FS顧客支援システム」(コラム・コントロールシステム)を開発しました。
コカ・コーラ システムでは FS支援システムの構築によって、共通のデータに基づいた全社レベルでの販売進捗把握と日次レベルでの問題点把握、売り切れ発生率の大幅な改善、配送効率の向上などが実現しました。しかし、このオフライン方式では、サービス担当者がその自動販売機を巡回した時点が最新のデータであり、情報の “鮮度” には限界がありました。訪問間隔が長くなればなるほど、販売数の予測精度に誤差が発生し、販売現場で今起きている例外事項(故障や売り切れなど)がタイムリーに把握できないことになります。
これらの課題を解決したのが、HCCBC が着目したオンライン方式で収集されるリアルタイムなデータでした。消費者の購買行動や売場の現況を可視化する POSデータは、自動販売機マーケティングの重要な柱となり、HCCBC の目指す「顧客に支持される最適な売り場づくり」を実現し、同時に物流効率化を可能にしました。
同社では、このシステムの導入効果を測るために、長野県でパイロットテストを実施しました。2000台の自動販売機をオンライン化し、新FS顧客支援システムを 4カ月間稼働させた結果、オフライン方式とオンライン方式の販売実績に 9%の差が認められました。また、オンライン化したことで、サービス担当者 1人が管理できる自動販売機台数は以前の 120台から 170台へと拡大。
それによるオペレーションコストが 42%削減すると見積もられることから、全社展開した場合には、コスト削減と売上増で合計7億円の効果が出ると予測されています。
2005年、コカ・コーラ システムでは、HCCBC の新FS支援システムが持つ機能と活用効果を共有するために、共同利用センター化のプロジェクトをスタートしました。
しかし、複数のボトラー社が利用する共同センターへ移行するためには、対象自販機台数が増える事による、夜間バッチ処理の遅延や、パフォーマンス劣化、システムコストの肥大化などいくつかの課題を乗り越えなければなりませんでした。
この課題解決にあたり、HCCBC では中核となるデータベースを既存のデータベースから Teradata へ全面移行する事を検討し、Teradata にベンチマークテストを依頼しました。実データを使ったテスト結果で、従来の 5倍のパフォーマンスが確認された事により Teradata への移行を決断した同社は、多くの課題を解決しながら、2006年2月に移行作業を完了させました。そしてコカ・コーラシステムでは、現在この成功事例を基に、次のボトラー社での移行作業を進めています。