
東邦銀行は、福島市に本店を構える地方銀行。福島県内を中心に116カ店の営業店舗を擁し、総預金は2兆4,976億円、貸出金は1兆7,706億円と地方銀行としては中堅規模に属しています。
現在、金融機関は従来とは異なった競争環境が広がりつつあり、経営の健全性向上はもとより、金融機関に求められる課題は、益々厳しいものとなっています。
こうした環境のなか、同行は2003年度から中期経営計画「TOHO変革ビジョン2003」をスタ−トさせました。
これは、メインテ−マを「高収益体質への自己変革」とし、「収益強化型ビジネスモデルの確立」「資産内容の健全化促進」「経営インフラの再構築」「リレーションシップバンキングの機能強化」を経営目標として掲げており、地域経済発展への寄与とお客さまが満足する金融サービスを「継続」して提供可能な、安定した経営体質の確保が目的となっています。
同行は1995年にいち早く Teradata を導入、データベース・マーケティングを実現しており、2001年には営業店簡易検索システムを、2004年には収益管理システムを Teradata により構築しています。
東邦銀行が勘定系システムのアウトソーシングを選択した背景には、同行システム部門の抱えいるいくつかの課題がありました。同行の勘定系システムの更改時期が到来し、多額のシステム投資が必要となる状況下、経営よりシステムコスト削減の要求が厳しく求められていました。また、金融環境の著しい変化にともない、お客さまに対して24時間金融サービスの提供が可能な高品質なシステムインフラの整備が求められていました。 つまり、「お客さまに対し安全確実な金融サービスと付加価値の高いサービスの提供可能なシステム」を安価に構築する必要がありました。 そこで同行では、システム戦略の基本方針として、決済機能を中心とする勘定系業務については、「安全確実」をキーワードとして、勘定系システムをアウトソーシングすることにより、システムコストの削減、システムの安定稼働、システム開発期間の短縮等の実現を目指しました。また、情報の活用を中心とする戦略系業務については、「拡張性・自由度の確保」をキーワードとして、Teradata を有効活用することで、情報活用の高度化、IT技術の積極的な活用、本部施策への迅速な対処の実現を目指しました。
東邦銀行では、1995年に経営体質の強化を目的に、データベース・マーケティングの基本システムとしてTeradataを導入、マーケティング分析関連のシステムを構築してきました。その後、Teradata の利便性に着目、本支店OAネットワークと連携、情報系システムの基幹システムと位置づけ、業務及び利用者の拡大を図ってきました。また、収益管理システム等の、従来勘定系システムにおいて稼働していた非決済業務(サブシステム)については、積極的に Teradata へ移植、ダウンサイジングを実現し、相当の効果を挙げてきました。その間、サ−バ−の更改を行い、現在は3代目のサ−バ−(Teradata 4855サーバー)を利用しています。本部と営業店からは汎用検索システム(Access Navigator、Access Navigator Lite)を使用して情報の自由検索が可能となっている他、融資業務支援システム、渉外支援システムなどのサブシステムと連携、情報の共有化が図られています。 同行のシステムは、勘定系システムである PROBANK の DWH およびサブシステムのデータが、Teradataに取り込まれるようなシステム構成になっています。勘定系システムにて発生する取引デ−タは明細単位で時系列に Teradata に取り込まれています。また、支店やコンビニATMなどのチャネルや業務サブシステムも Teradata と連携されています。同行で稼働する業務サブシステムは、Teradata とインタ−フェ−スを取り、デ−タの受け渡しが可能であることが導入の前提となっています。 現在では、 2テラバイトの戦略情報が Teradata に格納・運用されています。勘定系システムになじまない業務システムは、Teradata にて運用し、勘定系システムのスリム化に貢献しています。
Teradata の導入により、東邦銀行では、大きく以下3点のTCOの逓減を実現しています。最初に、システム開発依頼案件の内容の変化があります。以前は、本部から還元帳票類の開発・変更に関する依頼が多く、多大な開発期間・費用を要していました。Teradataの導入後は、ホスト帳票類に関する本部からの開発依頼はほぼゼロとなりました。一方で、本部からは、Teradata内の情報【デ−タ】に関する開発依頼が増えています。これは、本部が Teradata のデ−タを日常業務のなかで自発的に活用する頻度が増えていることをあらわしています。つまり、戦略的な情報活用のツールとして本部・営業店内に Teradata が深く浸透していることのあらわれです。次に、Teradata のデ−タベ−スとしての開発・運用設計の容易性が挙げられます。他社製データベースと比較すると設計・開発・運用の各段階において非常に扱い易くなっています。Teradata の利用により開発にかかる期間が最小化されるとともに各段階においてシステムコストが最小化されることになります。最後に、Teradata にかかる開発が非常に簡単なため、同行の関連情報処理会社である東邦情報システム株式会社へ全面的に業務スキル、システムスキルを移転、情報系システムの開発・運用・管理に関し全面的な委託を行っています。これにより、銀行本体でのシステムコストを大幅に逓減することが可能となっています。
同行では前述したように、ユーザー部門(営業企画部)の要望により、1995年にデータベース・マーケティング実現のため、Teradata を導入しました。当時の採用理由としては、Teradata の圧倒的なパフォ−マンスと Teradata のデータベース・マーケティングに対する豊富なノウハウがあげられます。その後、同行の勘定系PROBANK(富士通社)との共存による最適な組み合わせとして、Teradata を拡張し、デ−タウェアハウスとして利用するに至りました。
そのため、PROBANK の移行・開発においても、各種のテスト結果の検証などにも大いに利用することが出来ました。例えば、開発期間中は稼働中のホストプログラムと PROBANK のプログラムによる膨大な新旧デ−タの検証に、また移行作業では旧ホストと PROBANK との移行デ−タの突合検証に Teradata を用いました。いわば、Teradata は PROBANK の精度向上に大いに貢献したのです。