
同社は、1974年に設立された東芝グループ内唯一のロジスティックス担当企業です。製造工場から販売店、工事現場までの製品流通の中で、同グループの家電、情報機器、半導体を中心とした機器や機械類の輸配送、荷役、保管などを行っています。その多様なニーズに対応するために、全国 7カ所の地域統括部と 12カ所の支店を持ち、ノウハウに裏づけされた技術力で対応しています。平成 11年度の売上高は 1000億円、経常利益は 21億円で、売上の比率は東芝 80%、その他荷主 20% です。
昨今の厳しい市場環境の中で、物流業界も取り扱い荷物量の低迷、多品種少量配送の増加、競争の激化といった大きな影響を受けています。同社においても例外ではなく、最大荷主の東芝からの取り扱い荷量の伸び悩みや、価格の下落などにより、一層の物流経費削減が重要な課題となっています。そのため、ローコスト・オペレーション・ハイクオリティー・サービスの徹底と、顧客サービスの強化による一般顧客企業の獲得が経営戦略上の大きな柱となっています。このような環境の中で、物流コストの把握とその内容分析や、顧客に有益な情報提供を行うための仕組みが必要でした。しかし、同社のシステムでは売上、輸送、保管、荷役といった各サブシステムがそれぞれ独立しており、各システム間の連携を取る事が困難であったため、システムを見直す必要がありました。
同社の社内改革プロジェクト「RM(リアルタイムマネジメント)-PJ」は、各システム間の連携を図るためにデータウェアハウス・ソリューションの導入を決定しました。第1フェーズでは、売上、請求関連と経理関連のデータのデータウェアハウスへの取り込みを行い、売上や請求の内訳を一件単位で把握したり、荷主別の損益管理や経理科目別での損益管理を目標としました。第2フェーズでは、東芝物流が開発した物流システムパッケージである「LIGNS」を使用した、倉庫内での入出荷や在庫確認の作業とその作業者までも含んだ進捗管理データの取り込みを目標としました。これにより、庫内作業者のピッキング作業などの生産性の把握と分析、改善や頻度に基づく庫内ロケーション管理が可能となります。このシステムを実現する為に、同社は Teradata超並列サーバーと Teradata RDBMS を選択しました。
同システムの導入により、データの一元管理が実現し、一件毎の顧客との取引内容や損益をタイムリーに把握したり、輸送や作業在庫、積み合わせ、配送ルートの分析が自由にできるようになりました。また、適切な情報の入手とその加工時間も短縮され、荷主に対するタイムリーな情報提供が実現しています。具体的には次のようなメリットがあげられます。
同社が実現しようとしていた業務のシステム化や改善には、一件毎の明細データを蓄積して分析する能力を持っているデータウェアハウスが必要でした。Teradata を採用した大きな理由は、大容量の生データを取り扱うデータウェアハウスの構築と運用において、豊富な実績と経験があったことです。今後、海外展開を行うこともあり、グローバルな対応ができることも考慮しました。何よりも、Teradata のパフォーマンスとスケーラビリティが優れており、大容量のデータを取り扱う上で常に問題となるデータベースの運用管理の負荷が大変少ないことも決め手となりました。